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Aratana Live!♯06 ~地域の「食」ビジネスをアップデート~ 新たな価値を生むチャレンジを語る



Aratana Live!とは

周南エリア・山口県からさらなる挑戦者を生み出すべくコワーキングスペースを運営しているAratanaでは、Aratanaをもっとたくさんの方に知っていただき、共感していただける仲間を増やすためのトークイベント「Aratana Live!」を定期的に開催しています。


6回目となる今回は、<〜地域の「食」ビジネスをアップデート〜 新たな価値を生むチャレンジを語る>と題し、ゲストにお話を伺いました。その一部をレポートいたします!



今回のゲスト

大迫 龍斗さん

はちみつのお店 ビ庵 チーフマネージャー


家業である、養蜂と蜂蜜ショップを経営する有限会社 ビ庵 を継ぐ為に地元へ帰郷。2023年9月、弟さんと一緒に蜂蜜ソフトクリーム屋「はにぃすぽっと」をオープン。



河村 光昭さん

河村醤油株式会社 代表取締役


創業100年を超える河村醤油株式会社の5代目社長。醤油と、醤油を加工した調味料を製造販売。地域の方だけでなく、地元飲食店への卸販売や、海外展開なども。



消費者ニーズをつかむためにどんなことをしている?

河村さん:

おじいちゃん、おばあちゃんの代から三代でうちの醤油を買ってくれるお客様もたくさんいらっしゃる。そのため、基本的に同じ味を変えないようにしている。特にメイン商品は、創業時の味に近づけるようにしている。一方で、醤油だけでなく、醤油を使ったその他の調味料など、伝統を引き継ぎつつも、新しい商品開発にも励んでいる。


大迫さん:

蜂蜜の味は、採る人によって味が変わるわけではなく、ミツバチが採ってくる花に依存する。蜂蜜の味は変えられないので、フレーバーや加工方法を変えて、お客様の反応を見ながら新商品を開発している。蜂蜜そのままだと、どう食べていいかわからない方も多いので、蜂蜜をもっと馴染みやすくするためにどうしたらよいか、という視点でも商品開発を行っている。



ファン作りのために工夫していること

河村さん:

個人のお客様への配達。お醤油を配達したときに、お客様と直接顔を合わせて話を聞くようにしている。また、最近だとweb上で河村醤油を思い出してもらうこともできるため、SNSにも注力している。


大迫さん:

蜂蜜はとにかく差別化が難しい。だからこそ商品ラインナップを増やして、個性を出すことが大事だと思うが、うちの強みは店舗があること。店舗でのコミュニケーションでファンになってもらうことを意識している。店舗に買いに来てくれるのはやっぱり地域の方が多いので、「大迫さんだから買いたい」と思ってもらえるよう店舗での接客は大事と考えている。



地域による食文化の課題

大迫さん:

地元地域の就農者が減ってきている。逆にそれはチャンスでもあると思うが、ノウハウが受け継がれないなどの課題は深刻だと感じている。

また、店舗での販売がメインチャネルになるため、購入者も地域の人がほとんど。地域の人口も減ってきているなかで、いかに売上を増やせるか、という課題もある。オンラインショップにも注力したい。


河村さん:

“地域における食文化”という概念がなくなりつつあるなと感じている。実際に、地元の飲食店が徐々に減ってきている。昔は、地元の飲食店が地元の食材や加工品を仕入れ、それをお客様に提供していた。しかし今は、特に周南エリアは全国規模のチェーン店が増えてきており、なかなか地元のお醤油を使おう、とはならない。一方で、チェーン店がキャンペーン的に地元の食材を積極的に使おうとしてくれることもあるため、こうした取り組みが継続的に行われるようにしていく工夫も必要と感じている。



今後やってみたいことはありますか?


大迫さん:

蜂蜜は汎用性が高いので、さまざまな企業とのコラボレーションで開発した商品を、ダブルネームで販売していきたい。直近だと由宇町のマイヤーレモン農家さんとのコラボレーションで、マイヤーレモン蜂蜜を開発、販売した。ただ、蜂蜜を使った地域企業との商品というと、山ほどあるので、そこでもう一つ付加価値が必要だと考えている。

また地域の食文化としての観点では、これまで蜂蜜ひとさじで笑顔になれる瞬間をたくさん見てきたので、地域を盛り上げる道具として蜂蜜が使えるのであれば、たくさん活用していきたい。


河村さん:

過去に、ビ庵さんにうちのお醤油を使っていただいたこともあった。そんなかたちで、光市にもさまざまな食資源、観光資源があるので、一緒に商品開発してみたいなと思う。また、その土地、その地域にしかない食べ物がある。それを残していくことも自分自身の使命だと感じている。



あなたにとっての”Aratana”は?

Aratana Live!では「新たなチャレンジをする上で心がけている信条、どのような新たな世の中を作っていきたいか、新たな世代へのメッセージ」などの意味を込めて「あなたにとっての”Aratana”」を色紙に書いていただいています。


河村さん:

「為せば成る」

考えすぎてなかなか動けないということもよくあると思う。そんなとき、この言葉を思い出して、考えながら動く。やれば必ずできる。これを自分に言い聞かせている。


大迫さん:

「人事を尽くして天命を待つ」

学生時代、バレー部の顧問の先生から贈られた言葉で、今もずっと大事にしている。自分ができることを可能な限りやったら、あとは静かにそのときを待つ。それくらい、努力していきたい。



お醤油と蜂蜜という身近な食品のお話ではあったものの、なかなかその製法や開発背景を聞くことはないため、トークセッション後の懇親会では、参加者のみなさまからお二人へ、さまざまな質問が飛び交っていました。


ゲストのお二人、そして参加されたみなさまありがとうございました!

次回Aratana Live!もお楽しみに!



Shunan Innovators Hub Aratana(アラタナ)は月額会員様を募集中です!見学も可能ですので、ご興味をお持ちの方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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