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Aratana Live!♯07 ~学生と地域の共創~スポーツを通じた地域づくりを語る



Aratana Live!とは

周南エリア・山口県からさらなる挑戦者を生み出すべくコワーキングスペースを運営しているAratanaでは、Aratanaをもっとたくさんの方に知っていただき、共感していただける仲間を増やすためのトークイベント「Aratana Live!」を定期的に開催しています。


7回目となる今回は、<〜学生と地域の共創〜スポーツを通じた地域づくりを語る>と題し、ゲストにお話を伺いました。その一部をレポートいたします!



今回のゲスト

岡井 理香さん

周南公立大学人間健康科学部スポーツ健康科学科 准教授

スポーツアドミニストレーター


奈良県奈良市生まれ。中高時代は柔道一筋。しかし、両膝の靭帯を断裂する怪我を負い、大学2年生時に引退&教育研究の道へ。。中学高校の教員を勤めた後、広島の大学の教員として着任。スポーツや教育現場に携わってきた。3年前から周南公立大学に着任し、周南市に在住。現在はスポーツを軸にまちを元気にする研究、活動に取り組んでいる。


福村 紅子さん

水泳・体操指導 専門家

一般社団法人 はぴスポ 代表理事

アウトドアスポーツやまぐち協同組合副理事


山口県周南市生まれ。3歳から水泳をやっており、高校卒業後はさらに水泳を学ぶため、関西の専門学校へ進学。その後オーストラリアに水泳とコーチングを学ぶために留学。現在は、パーソナルスタジオBcoや、子ども達の体の土台づくりのためのはぴスポ、ハダシランドなどに携わる。



専門はスポーツ指導や研究。なのに”地域”に目を向けたのはなぜ?


岡井さん:

大学院を修了するまで柔道と研究一筋の生活だったため、教員になって社会に出たことで、世界が広がった。具体的には、今までいかに「勝つ」「強くなるべき」というスポーツの枠組みに閉じ込められてきたか、それ故に苦しんだのか、ということを考えさせられることが増えた。そして、閉鎖的な環境ではなく、スポーツを基軸に、多様な視座・視野・視点から社会と繋がりをもちたいと思うように。大学の教員になってからは、さらに地域活動そのものの「魅力」と地域が有する「教育力」を感じる機会が増えた。周南公立大学は「日本一のまちづくりの中核として存在する」というパーパスを掲げており、スポーツ×ウェルビーイングの観点から、地域に学び、地域とつながり、地域に貢献する活動に着手したことが、現在の教育研究活動のきっかけです。



福村さんの現在行う事業や活動について教えていただけますか


福村さん:

主にパーソナルスタジオでやっているのは、皆さんがよくイメージされるいわゆる筋力トレーニングといったものではなく、体の使い方を五感でチェックして、体をいかに楽に動かすためのトレーニングをしています。一緒にトレーニングするというか、相手の中に何か答えがあって、それを感じさせる、というような手法をとっています。


はぴスポのほうでは、保育園児に対して体操や水泳指導を行っています。2010年からなのでもう10年以上ですね。今は11の保育園を回らせてもらっています。


これらの活動、特にはぴスポについては、0歳から小学校に上がる前の子ども達と向き合うので、誰にも教えてもらわないのに、生まれてから立ち上がるまでの発育、発達がしっかりできていることが前提で、それ以外の動きもできるようになっていく、と実感することが多くありました。「やっぱり赤ちゃんのときからも大事だよね」と。そこからハダシランドの活動に繋がった。私自身水泳をやっていたので、基本はハダシでハダシが好きだった。でも最近の子ども達は危ないから靴を履いていることが当たり前。ハダシでのびのび、決まったゲームやおもちゃもなく自由に遊べる場があるといいと思った。



お二人の考えるウェルビーイングとは?


岡井さん:私自身はウェルビーングを「ごきげん」と定義しています。スポーツの観点からいえば、私は怪我をしたことで、人生を懸けて取り組んできた柔道が20歳の時点でできなくなった。学生時代は手術とリハビリのくり返しで、柔道だけでなく、他のスポーツもできなくなり、スポーツ自体がきらいになった。もしその当時に時間が戻るとすれば、中学・高校・大学時代に自身とスポーツとの関わり方をもっと学び、考え、見つけたかった。「得意」と「好き」どっちが大事かを考えたときに、「好き」を教育の中に築いていくこと。そして、自分の「好き」を大事にしてスポーツと関わっていくこと、その機会と場所、なかま、コミュニティをまちにたくさんつくること。自身の教育研究活動においては、この2点を大切に、一人ひとりが自分自身にとっての「ごきげんなスポーツ」に出会えるようにしたい。


福村さん:

小さいころから競泳をやってきて、残念ながら選手としてはそこまで芽が出なかった。でも指導者になったことで、自分は水泳が大好きだったんだってことに気がついた。小さい頃からやっていて、そのまま競泳の世界にいただけという感覚から、好きだからこの世界にいたいんだと。


フィットネス業界はというと、わかりやすいのが、数字。痩せたい人はどれくらい食べてどれくらい動こう、というのがある程度決まっている。良い姿勢でなければならない、とか、骨盤はこうじゃないといけない、とか。でも、例えばすごく猫背でも体に不調がなければいいんじゃないかと。指導されているから、あれもできない、これもできない、次の課題をこなさなきゃ!となりがちだが、本来は心も体も自分に納得感があって不調がない、それがウェルビーイングと言えるんじゃないか。



スポーツ×地域づくりについて


岡井さん:

スポーツは手段でもあり目的でもあると思っている。スポーツすること、からだを動かすこと自体が楽しいというのもあるし、勝負だったり競争という側面もスポーツが有する魅力として外せない要素。スポーツならではの特徴を活かした方法で、地域に関わらせていただいている、というイメージですね。


私のゼミの特徴であり自慢の一つに、ほぼ毎週、ゼミ生と共にキャンパスを出て、地域のさまざまな場所で活動していることがあげられる。紅子さんとの出会いもそのなかの一つ。大学内だけでなく、地域の老若男女、多様な方々と関わることで、化学反応みたいなものが生まれること、その輪をもっとスポーツ関係者に広げたい。多種多様な学生たちが集まって、自分たちの「得意」「好き」を生かして、地域の方たちと活動することが、波及的に広がっていけばいいなと思っているし、すでにその広がりを実感している。本当にありがたい。


福村さん:

岡井さんと考え方がすごく近い。手段として私の場合は水泳と体操、ハダシランドなどをやっている。それをやっているのは、子ども達の「感じる力」を育てたいという気持ち。決まったルールで何か遊ばされているという感覚ではなく、自分たちで考えて遊ぶ力。実際に関わっているのは小学生までの子どもたちが多いが、小学校を卒業した後に、何か思いが伝わっていればいいなと思う。



あなたにとっての”Aratana”は?

Aratana Live!では「新たなチャレンジをする上で心がけている信条、どのような新たな世の中を作っていきたいか、新たな世代へのメッセージ」などの意味を込めて「あなたにとっての”Aratana”」を色紙に書いていただいています。


福村さん:

「運と縁とタイミング」

新たな出会いや、そこから新たなお仕事が生まれたりする素敵な縁は、本当に運とタイミングなんだろうなと感じる。今日ここにいるのも運が良かったなと思っていますし、これからもこの言葉を信じて進んでいきたいと思う。


岡井さん:

「呼吸」

チャレンジって何だろうと考えた時に、意外と自分は自然に、当たり前にやってきたことだなぁと思った。逆に、しないと苦しい。チャレンジできないと苦しいと思う。だからこそ息を止めなくていいんだよ、と学生に伝えたい。自由にしていいんだよと。そのような教育活動をつくり、展開していきたいので、これからも地域の方たちと一緒にいろいろなことにチャレンジしていけたらと思う。


ゲストのお二人、そして参加されたみなさまありがとうございました!

次回のAratana Live!もお楽しみに!



Shunan Innovators Hub Aratana(アラタナ)は月額会員様を募集中です!見学も可能ですので、ご興味をお持ちの方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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